消防設備点検は自分でできる?資格者が必要な4条件とアプリの対象設備

公開: |更新: |運営: ubusuna works

この記事の結論

消防設備点検は、すべての建物で業者への依頼が必須ではありません。ただし、延べ面積1,000㎡以上の一定の建物、特定一階段等防火対象物、全域放出方式の二酸化炭素消火設備がある建物などは、消防設備士または消防設備点検資格者による点検が必要です。自分で点検できる建物でも、消防庁の基準に沿う点検、点検票の作成、消防署への報告が必要です。

誰向けか: 小規模な共同住宅・店舗・宿泊施設を所有または管理し、消防設備点検を自分でできるか判断したい方

  1. 延べ面積、用途、階段、二酸化炭素消火設備から資格者点検が必要か確認したか
  2. 設置設備が消防庁アプリの対象範囲に収まるか確認したか
  3. 機器点検・総合点検・報告書提出まで自分で完了できるか

消防設備点検は、小さい建物なら必ず自分でできる、という決まりではありません。 先に建物が「資格者による点検を義務づけられる4条件」に該当しないかを確認し、その後で設備の種類と点検内容を見ます。

資格者点検が義務ではない建物でも、点検自体が免除されるわけではありません。消防法令に基づいて設置された消防用設備等があれば、関係者は定期点検を行い、決められた周期で消防署等へ報告します。

先に結論:3段階で判断する

確認する順番該当した場合次にすること
1. 消防法令上の消防用設備等が設置されているか設置されている点検対象。2へ進む
2. 資格者点検が必要な4条件に該当するか該当する消防設備士または消防設備点検資格者へ依頼する
3. 自分で基準どおりに点検・記録・報告できる設備かできる点検票を作成し、所轄消防署等へ報告する

判断材料が足りない場合は、建物の所在地、用途、延べ面積、階数、階段数、設置設備が分かる図面や前回の点検報告書を用意し、所轄消防署へ確認します。消防署は点検を請け負う窓口ではありませんが、制度や提出先の確認ができます。

資格者に点検させなければならない4条件

消防法施行令第36条第2項では、次の防火対象物について、消防設備士または消防設備点検資格者に点検させる必要があります。

  1. 延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物 飲食店、物販店、ホテル、病院など、不特定多数の人や避難に配慮が必要な人が利用する用途が代表例です。
  2. 延べ面積1,000㎡以上の非特定防火対象物のうち、消防長または消防署長が指定したもの 共同住宅、事務所、倉庫などでも、指定の有無を確認します。
  3. 特定一階段等防火対象物 地下または3階以上の階に特定用途があり、屋内階段が1系統しかないなど、避難条件が限られる建物です。面積だけでは判断できません。
  4. 全域放出方式の二酸化炭素消火設備が設置されている防火対象物 規模にかかわらず資格者点検が必要です。

特に3と4は、「1,000㎡未満だから自分でできる」という判断を崩す条件です。テナントの入替えや用途変更で区分が変わることもあるため、延べ面積だけで決めないでください。

自分で点検できる場合も、やることは3つある

資格者点検が義務づけられていない建物では、所有者や管理者などの関係者が自ら点検できる場合があります。ただし、次の3つを一式で行います。

  1. 消防庁が定める点検基準・点検要領に沿って設備を点検する
  2. 設備ごとの点検票と点検結果報告書を作成し、維持台帳へ記録する
  3. 建物所在地を管轄する消防長または消防署長へ、定められた周期で報告する

機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回が基本です。消防署への報告周期は、特定防火対象物が1年に1回、それ以外が3年に1回です。報告が3年に1回の共同住宅でも、点検まで3年間空けてよいわけではありません。

提出書類と提出方法は、消防設備点検報告書の提出方法で確認できます。

消防庁アプリで点検できる設備は限定される

総務省消防庁の「消防用設備等点検アプリ」は、小規模な宿泊施設、共同住宅、飲食店などの関係者による点検と報告書作成を支援するものです。公式案内で対象になっている主な設備は次のとおりです。

設備アプリで扱える主な範囲
消火器内部・機能点検が不要なもの。公式リーフレットでは加圧式は製造年から3年以内、蓄圧式は5年以内と案内
非常警報器具アプリの案内に沿って確認できるもの
誘導標識蓄光式と電気エネルギーで発光するものを除く
特定小規模施設用自動火災報知設備受信機または中継器がなく、自動試験機能を有するものに限る

アプリは、対象設備の状態を写真やイラストで確認し、法令様式の報告書PDFを出力する支援ツールです。アプリを入れれば、建物内の全設備を無資格で点検できるわけではありません。 屋内消火栓、スプリンクラー、一般的な自動火災報知設備、避難器具などがある場合は、設備ごとの点検要領と必要な測定・作動試験を確認します。

自分で行う前に確認する7項目

次のどれかが分からない場合は、前回の報告書を読み、所轄消防署または点検業者へ確認するのが安全です。

  • 建物の用途と延べ面積
  • 地下または3階以上にある用途
  • 避難階へ通じる屋内階段の数と構造
  • 全域放出方式の二酸化炭素消火設備の有無
  • 設置されている消防用設備の名称・数量・型式・製造年
  • 前回の機器点検・総合点検・報告日
  • 不良箇所と未完了の改修がないか

前回の点検票があれば、設備の種類と数量を把握しやすくなります。報告書が見つからない場合は、管理会社、前所有者、前回の点検業者にも控えがないか確認します。

「自分でやる」と「何もしない」は別

自分で点検できる建物でも、点検基準を読み、設備ごとの点検票を作り、報告書を提出する時間がかかります。対象外の設備が混じる、前回報告書がない、不良がある、テナント調整が必要といった場合は、業者へ頼む範囲を分けた方が進めやすくなります。

見積もりでは、次の範囲を分けて確認します。

見積項目確認する内容
点検機器点検・総合点検の両方を含むか
報告書点検票、総括表、点検者一覧表の作成を含むか
提出所轄消防署への提出代行を含むか
不良対応軽微な交換、別見積もりの工事、再点検の扱い
住戸・テナント対応日程通知、入室調整、予備日の有無

地域から消防設備点検業者を探すときは、建物用途、延べ面積、階数、設備一覧、前回報告日を伝えると、点検対象と見積もり範囲を合わせやすくなります。依頼前の整理には、見積もり前にそろえる5項目も使えます。

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