制度ガイド

防火設備定期検査とは?2016年新設の12条点検を解説【消防設備点検との違い】

防火扉・防火シャッターを対象とする防火設備定期検査は、2016年の建築基準法改正で新設された年1回の法定検査です。消防設備点検との違い、対象建物、検査の流れを解説します。

最終更新: 2026-07-30 | 執筆・編集: tenbou works

防火設備定期検査は、建築基準法第12条に基づき、防火扉・防火シャッターなどの防火設備を対象とする年1回の法定検査です。2013年の福岡市診療所火災(防火扉が作動せず10名死亡)を契機に、2016年6月の建築基準法改正で新設された比較的新しい制度で、認知度が低く、検査漏れが起きやすい点検の代表例です。

消防設備点検との違い

消防設備点検防火設備定期検査
根拠法令消防法第17条の3の3建築基準法第12条
対象設備消火器・自動火災報知設備・避難器具・スプリンクラーなど随時閉鎖式の防火扉・防火シャッター・耐火クロススクリーン・ドレンチャー
頻度機器点検6ヶ月・総合点検1年に1回1年に1回
報告先管轄の消防署・消防本部特定行政庁(建築指導課等)
検査資格消防設備士・消防設備点検資格者一級・二級建築士、防火設備検査員

名前が似ているため混同されがちですが、両者は根拠法令・対象・報告先がすべて異なる別の義務です。「消防点検はやっているから大丈夫」と思っていた建物で、防火シャッターの検査が一度も行われていなかったというケースは珍しくありません。

対象になる建物

  • 随時閉鎖式の防火扉・防火シャッター等が設置されている建物であること
  • 建築基準法で一律に定められた対象(病院・診療所・ホテル等で一定規模のもの)、または特定行政庁が指定する建物であること

特に病院・高齢者福祉施設など就寝を伴う施設は重点対象です。指定範囲は特定行政庁ごとに異なるため、所在地の建築指導課への確認が確実です。

検査の内容

防火扉・シャッターが火災時に確実に閉鎖するかを、実際に作動させて確認します。具体的には、感知器との連動による自動閉鎖、閉鎖の障害となる物品の有無、危害防止装置(シャッターに挟まれるのを防ぐ装置)の作動などを検査し、結果を特定行政庁に報告します。

出典・参考資料

よくある質問

消防設備点検をしていれば防火設備定期検査は不要ですか?

いいえ、別の制度です。消防設備点検は消防法に基づき消防署へ報告するもので、防火設備定期検査は建築基準法第12条に基づき特定行政庁へ報告するものです。対象設備も異なり、防火扉・防火シャッター等の「閉まる仕組み」は防火設備定期検査でしか確認されません。両方の義務がある建物が多くあります。

どんな建物が対象ですか?

随時閉鎖式の防火扉・防火シャッター等が設置されている建物のうち、特定行政庁が指定するものです。病院・ホテル・物販店舗など不特定多数が利用する建物が中心ですが、指定範囲は地域により異なるため、所在地の特定行政庁(都道府県・市の建築指導課)で確認してください。

検査できるのは誰ですか?

一級建築士・二級建築士、または防火設備検査員の資格を持つ者です。

お住まいの地域の点検業者を探す

公的名簿に基づく業者データベースから、地域と業務内容で絞り込めます。