建物の法定点検 一覧と期限チェック
消防用設備等は機器点検6月・総合点検1年、報告は特定用途が1年・それ以外が3年に1回です。建築基準法12条の調査・検査は、おおむね6月〜3年(建物本体)/おおむね6月〜1年(防火設備・建築設備・昇降機)の幅の中で特定行政庁が時期を定めます。
用途・規模と前回の実施日を入れると、次回の点検・報告の期限を計算します。 判定に使った条文をすべて表示します(無料・登録不要・入力内容は送信されません)。 条文と告示は2026-09-23に一次情報で確認したものです。
法定点検の周期・報告先・根拠条文の横断表
7つの点検・検査・調査について、対象・周期・報告先・点検できる資格・罰則・根拠条文を 同じ項目でそろえました。条文は e-Gov法令検索の法令API、告示は消防庁と国土交通省が 公開している告示の本体で、いずれも2026-09-23に確認しています。
| 点検の種類 | 対象 | 点検の周期 | 報告先と間隔 | 点検できる人 | 報告しなかった場合 | 根拠条文 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 消防用設備等の点検 | 消防用設備等が設置されている防火対象物。点検を要しないと定められているのは令別表第一(20)項=舟車だけで(令第36条第1項)、延べ面積によって義務が免除される仕組みはありません。 | 機器点検は6月、総合点検は1年(平成16年消防庁告示第9号 第3の表)。ただし同表は、消火器具・消防機関へ通報する火災報知設備・誘導灯・誘導標識・消防用水・非常コンセント設備・連結散水設備・無線通信補助設備・共同住宅用非常コンセント設備に総合点検の欄を置いていません(機器点検6月のみ)。配線は総合点検1年のみです。 | 消防長又は消防署長へ報告します。間隔は、令別表第一(1)項〜(4)項・(5)項イ・(6)項・(9)項イ・(16)項イ・(16の2)項・(16の3)項が1年に1回、(5)項ロ・(7)項・(8)項・(9)項ロ・(10)項〜(15)項・(16)項ロ・(17)項・(18)項が3年に1回(規則第31条の6第3項)。報告の年でなくても点検は行い、結果を維持台帳に記録します(同項)。 | ①特定用途で延べ面積1,000㎡以上(令第36条第2項第1号)②それ以外の用途で延べ面積1,000㎡以上のうち消防長又は消防署長が指定したもの(同第2号)③特定用途部分が避難階以外の階にあり、そこから避難階又は地上に直通する階段が2(屋外に設けられ、又は避難上有効な構造の場合は1)以上ないもの(同第3号)は、消防設備士免状の交付を受けている者又は消防設備点検資格者(規則第31条の6第7項)に点検させます。これに当たらない建物は、関係者が自ら点検できます。 | 報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は30万円以下の罰金又は拘留(消防法第44条第11号)。法人の従業者が業務に関して行ったときは法人にも同額の罰金(同法第45条第3号)。 | 消防法第17条の3の3/消防法施行令第36条/消防法施行規則第31条の6/平成16年消防庁告示第9号 第3 設備ごとの点検の基準と点検票の様式は昭和50年消防庁告示第14号で定められています(点検の期間を定めているのは平成16年告示第9号のほうです)。 | 2026-09-23 |
| 防火対象物点検 | 令別表第一(1)項〜(4)項・(5)項イ・(6)項・(9)項イ・(16)項イ・(16の2)項のうち、①収容人員が300人以上のもの②特定用途部分が避難階以外の階(1階及び2階を除く)にあり、そこから避難階又は地上に直通する階段が2(屋外に設けられ、又は避難上有効な構造の場合は1)以上ないもの(令第4条の2の2)。 | 1年に1回(規則第4条の2の4第1項)。 | 消防長又は消防署長へ報告します(消防法第8条の2の2第1項)。点検の結果は防火管理維持台帳に記録して保存します(規則第4条の2の4第2項)。 | 防火対象物点検資格者(規則第4条の2の4第4項が15の類型を定めています)。 | 報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は30万円以下の罰金又は拘留(消防法第44条第11号)。 | 消防法第8条の2の2/消防法施行令第4条の2の2/消防法施行規則第4条の2の4 消防用設備等の点検とは別の点検です。防火管理者の選任、消防計画、避難訓練、避難施設の管理といった防火管理の状況を見ます。 | 2026-09-23 |
| 特定建築物の定期調査(12条点検のうち建物本体) | 令第16条第1項各号の建築物(劇場等・病院・ホテル・高齢者等の就寝用途・学校等・物販店舗等を、階と床面積で拾っています)と、それ以外の特定建築物で特定行政庁が指定するもの。令の対象からは、避難階以外の階に法別表第一(い)欄(一)項〜(四)項の用途がない建物などが告示第240号 第一で除かれます。国・都道府県・建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物は第1項の報告の対象ではなく、第12条第2項の点検の対象になります。 | 建築物の用途・構造・延べ面積等に応じて、おおむね6月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期(規則第5条第1項)。国が全国一律の年数を定めているわけではありません。 | 特定行政庁(都道府県又は市の建築部局)へ報告します。 | 一級建築士・二級建築士、又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(建築基準法第12条第1項)。資格者証の区分は特定建築物調査員資格者証(規則第6条の6の表(一)項)。 | 報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は100万円以下の罰金(建築基準法第101条第2号)。過料ではなく罰金です。 | 建築基準法第12条第1項/建築基準法施行令第16条第1項/平成28年国土交通省告示第240号 第一/建築基準法施行規則第5条第1項 調査の項目・方法・判定基準は平成20年国土交通省告示第282号が定めています。 | 2026-09-23 |
| 防火設備の定期検査(12条点検のうち防火扉・防火シャッター) | 令第16条第3項第2号により、法第6条第1項第1号の建築物で令第16条第1項各号のものに設ける防火設備。告示第240号 第三は、そのうち随時閉鎖又は作動をできるもの(防火ダンパーを除く)を対象とし、あわせて病院・診療所・高齢者等の就寝の用に供する部分の床面積の合計が200㎡以上の建築物に設けるものを対象にしています。政令で定めるもの以外でも、特定行政庁が指定すれば対象です。常時閉鎖をした状態にある防火戸は除かれます。 | 建築設備又は防火設備の種類・用途・構造等に応じて、おおむね6月から1年まで(国土交通大臣が定める検査の項目については1年から3年まで)の間隔をおいて特定行政庁が定める時期(規則第6条第1項)。 | 特定行政庁へ報告します。 | 一級建築士・二級建築士、又は建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者(建築基準法第12条第3項)。防火設備の区分は防火設備検査員資格者証(規則第6条の6の表(三)項)。 | 報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は100万円以下の罰金(建築基準法第101条第2号)。 | 建築基準法第12条第3項/建築基準法施行令第16条第3項第2号/平成28年国土交通省告示第240号 第三/建築基準法施行規則第6条第1項 検査の項目・方法・判定基準は平成28年5月2日国土交通省告示第723号が定めています。 | 2026-09-23 |
| 建築設備の定期検査(12条点検のうち換気・排煙・非常用照明・給排水) | 令第16条第3項が全国一律に定めている特定建築設備等は、昇降機(第1号)と防火設備(第2号)の2つだけで、換気・排煙・非常用照明・給排水といった建築設備は含まれていません。したがって建築設備の定期検査の対象になるのは、法第12条第3項の「政令で定めるもの以外の特定建築設備等で特定行政庁が指定するもの」です。指定の内容は自治体ごとに違うため、所在地の特定行政庁で確かめる以外の方法がありません。 | おおむね6月から1年まで(国土交通大臣が定める検査の項目については1年から3年まで)の間隔をおいて特定行政庁が定める時期(規則第6条第1項)。 | 特定行政庁へ報告します。 | 一級建築士・二級建築士、又は建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者。建築設備(昇降機を除く)の区分は建築設備検査員資格者証(規則第6条の6の表(二)項)。 | 報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は100万円以下の罰金(建築基準法第101条第2号)。 | 建築基準法第12条第3項/建築基準法施行令第16条第3項/建築基準法施行規則第6条第1項 検査の項目・方法・判定基準は平成20年国土交通省告示第285号(昇降機及び遊戯施設を除く建築設備等)が定めています。 | 2026-09-23 |
| 昇降機等の定期検査(12条点検のうちエレベーター・エスカレーター) | 令第16条第3項第1号の昇降機(令第129条の3第1項各号に掲げるもの)。告示第240号 第二は、籠が住戸内のみを昇降するもの、労働安全衛生法施行令第12条第1項第6号のエレベーターなどを対象から除いています。政令で定めるもの以外でも、特定行政庁が指定すれば対象です。 | おおむね6月から1年まで(国土交通大臣が定める検査の項目については1年から3年まで)の間隔をおいて特定行政庁が定める時期(規則第6条第1項)。毎月の保守点検とは別の義務です。 | 特定行政庁へ報告します。 | 一級建築士・二級建築士、又は建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者。昇降機(観光用エレベーター等を含む)及び遊戯施設の区分は昇降機等検査員資格者証(規則第6条の6の表(四)項)。 | 報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は100万円以下の罰金(建築基準法第101条第2号)。 | 建築基準法第12条第3項/建築基準法施行令第16条第3項第1号/平成28年国土交通省告示第240号 第二/建築基準法施行規則第6条第1項 検査の項目・方法・判定基準は平成20年国土交通省告示第283号(昇降機)、遊戯施設は同第284号が定めています。 | 2026-09-23 |
| 外壁の全面打診等(特定建築物の定期調査の一部) | タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く)、モルタル等で仕上げた外壁のうち、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分。 | 竣工後、外壁改修後又は全面打診等を実施した後10年を超え、最初に実施する定期調査等で全面打診等により確認します。ただし①3年以内に実施された全面打診等の結果を確認する場合②3年以内に外壁改修等が行われることが確実である場合③別途歩行者等の安全を確保するための対策を講じている場合は除かれます。10年に達していない回でも、手の届く範囲の打診等は行います。 | 特定建築物の定期調査の報告に含めて特定行政庁へ報告します。 | 特定建築物の定期調査と同じ(一級建築士・二級建築士・特定建築物調査員)。打診の方法として、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有する無人航空機による赤外線調査も告示の本文に含まれています。 | 定期調査の報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は100万円以下の罰金(建築基準法第101条第2号)。 | 平成20年国土交通省告示第282号 別表 二(十一) 10年というのは調査そのものの周期ではなく、全面打診等が上乗せされる回を決める線です。 | 2026-09-23 |
建築基準法12条の対象は、政令と告示の二段で決まる
12条の対象を調べると、同じ用途について2つの数字が出てくることがあります。 たとえば劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂・集会場(法別表第一(い)欄(一)項)の客席部分は、 建築基準法施行令第16条第1項第1号が「100㎡以上」、 平成28年国土交通省告示第240号 第一 一号が「200㎡以上」と書いています。 どちらも正しく、順番が違うだけです。政令が対象を広く決め、 そのうち「通常の火災時において避難上著しい支障が生ずるおそれの少ない建築物」を告示が除きます。 除いた後に残るのが、実際に定期報告を求められる建物です。 告示第240号 第一はこのほか、地階と3階以上の各階における当該用途部分の床面積の合計が それぞれ100㎡以下の建築物(特定規模建築物)も除いています。 当サイトの期限チェックは、除いた後の告示の数字で判定しています。 いずれも2026-09-23に条文と告示の本体で確認しました。
消防用設備等は、設備によって総合点検の有無が変わる
平成16年消防庁告示第9号 第3の表は、設備の種類ごとに点検の期間を定めています。 総合点検の欄が置かれていない設備があります。 「年2回の点検」が当てはまらない建物があるのは、この表のためです。
| 機器点検 | 総合点検 | 消防用設備等の種類等 |
|---|---|---|
| 6月 | (欄なし) | 消火器具、消防機関へ通報する火災報知設備、誘導灯、誘導標識、消防用水、非常コンセント設備、連結散水設備、無線通信補助設備、共同住宅用非常コンセント設備 |
| 6月 | 1年 | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、漏電火災警報器、非常警報器具及び設備、避難器具、排煙設備、連結送水管、非常電源(配線の部分を除く)、総合操作盤、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、共同住宅用非常警報設備、共同住宅用連結送水管、特定小規模施設用自動火災報知設備、加圧防排煙設備、複合型居住施設用自動火災報知設備、特定駐車場用泡消火設備 |
| (欄なし) | 1年 | 配線 |
出典: 平成16年5月31日消防庁告示第9号 第3(点検の期間)。表の区分は告示の表記のままです (2026-09-23 に告示本体のPDFで確認)。
この表の出典(すべて一次情報)
- 消防法(昭和23年法律第186号)第17条の3の3・第8条の2の2・第44条第11号・第45条第3号 e-Gov法令検索の法令APIから条単位で取得/確認日 2026-09-23
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第4条の2の2・第36条 e-Gov法令検索の法令APIから条単位で取得/確認日 2026-09-23
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第4条の2の4・第31条の6 e-Gov法令検索の法令APIから条単位で取得/確認日 2026-09-23
- 消防法施行規則の規定に基づき、消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類及び点検内容に応じて行う点検の期間、点検の方法並びに点検の結果についての報告書の様式を定める件(平成16年5月31日消防庁告示第9号。最終改正 令和2年12月25日消防庁告示第19号) 総務省消防庁が公開している告示本体のPDFを取得し、第3(点検の期間)の表を読んだ/確認日 2026-09-23
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年10月16日消防庁告示第14号。最終改正 令和3年5月24日消防庁告示第6号) 総務省消防庁が公開している告示本体のPDFを取得し、定めている対象(設備ごとの点検の基準と点検票の様式)を確かめた/確認日 2026-09-23
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第12条第1項〜第4項・第101条第2号 e-Gov法令検索の法令APIから条単位で取得/確認日 2026-09-23
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第16条 e-Gov法令検索の法令APIから条単位で取得/確認日 2026-09-23
- 建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号)第5条第1項・第6条第1項・第6条の6 e-Gov法令検索の法令APIから条単位で取得/確認日 2026-09-23
- 定期報告を要しない通常の火災時において避難上著しい支障が生ずるおそれの少ない建築物等を定める件(平成28年1月21日国土交通省告示第240号) 国土交通省が公開している告示本体のPDFを取得し、第一・第二・第三を読んだ/確認日 2026-09-23
- 建築物の定期調査報告における調査及び定期点検における点検の項目、方法及び結果の判定基準並びに調査結果表を定める件(平成20年3月10日国土交通省告示第282号) 国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」から告示本体のファイルを取得し、別表 二(十一)の外装仕上げ材等の項を読んだ/確認日 2026-09-23
- 国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」(調査・検査項目告示の一覧。第282号=建築物、第283号=昇降機、第284号=遊戯施設、第285号=建築設備等、平成28年5月2日国土交通省告示第723号=防火設備) 同ページの「4.調査・検査項目告示」に並ぶ告示の番号・題名・改正日を読んだ/確認日 2026-09-23
許可があることは、点検を実施できることを意味しません。当サイトの業者データベースは 各都道府県の建設業許可業者名簿(消防施設工事業)を出典としており、これは工事・設置の 許可です。点検の実施には消防設備士・消防設備点検資格者・特定建築物調査員などの 別の資格が必要です。
本ページは消防法・建築基準法および関係する政省令・告示に基づく整理です。 建築基準法12条の対象と報告時期は特定行政庁が指定・決定するため、 当サイトでは最終的な該当可否を確定できません。 消防法側についても、設置されている設備の内容や消防長・消防署長の指定によって扱いが変わります。 確定的な判断は、所轄の消防署と、建物の所在地の特定行政庁にご確認ください。