消防設備点検結果報告書は、どこまで自分で書くのか

公開: |運営: ubusuna works

この記事の結論

出す書類は「報告書」と「点検票」の2つです。点検票は業者が作りますが、報告書の関係者欄はご自身で書きます。提出先は建物を管轄する消防署(消防長または消防署長)で、特定行政庁ではありません。

誰向けか: 点検業者から報告書一式を受け取って、これから消防署へ出す建物の関係者

  1. 報告書と点検票が両方そろっているか
  2. 関係者の欄(氏名・住所・電話)が埋まっているか
  3. 提出先が消防署であることを確認する(建築の窓口ではない)

点検が終わって、業者から分厚い紙束が届く。 「あとは判子を押して消防署に出してください」と言われる。

どこに何を書くのか、そもそも全部出すのか一部でいいのか。 様式を初めて見る人が迷うのは、書類が2種類に分かれているからだ。

出すのは「報告書」と「点検票」の2つ

消防法施行規則31条の6第3項に基づいて提出するのは、 消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書(規則別記様式第1号の2の3の2)である。

これはA4で1〜2枚の表紙にあたる書類で、書くのは次の項目になる。

  • 防火対象物の所在地・名称・用途・延べ面積
  • 関係者(所有者・管理者・占有者)の氏名と住所
  • 点検の期間、点検を行った消防設備士・消防設備点検資格者の氏名と免状の種類・番号
  • 点検の結果の概要(不良の有無)

この報告書に添えるのが点検票である。設備ごとに様式が分かれていて、 消火器具、屋内消火栓設備、自動火災報知設備、スプリンクラー設備……と、 その建物に設置されている設備の数だけ枚数が増える。

紙束が厚くなるのは点検票のほうで、表紙の報告書は1〜2枚しかない

業者が書く部分と、関係者が書く部分

点検票は、点検した消防設備士・消防設備点検資格者が記入する。 免状番号を書く欄があるので、関係者が代わりに書くことはできない。

報告書の表紙のうち、関係者の氏名・住所と押印は、関係者が書く。 点検業者が下書きしてくれることが多いが、 名義は所有者や管理者のものになるので、内容を確認してから出す。

迷いやすいのが「関係者」を誰にするかである。 分譲マンションでは管理組合の理事長、賃貸ビルでは所有者、 テナントが自前で設備を持っている場合はそのテナント、という分かれ方をする。 1棟に複数の関係者がいる建物では、誰が報告義務者かを最初に決めておかないと、 毎年その確認から始まることになる。

間違えやすい欄

用途の欄。 消防法施行令別表第一の項番で書く。 飲食店なら(3)項ロ、共同住宅なら(5)項ロ、事務所なら(15)項。 複合用途は(16)項イまたはロになり、どちらかで報告の周期が変わる。 ここを誤ると、報告の頻度そのものが誤りになる。

点検の期間。 総合点検を実施した日ではなく、 その報告に含める点検の実施期間を書く。 非特定防火対象物で3年分をまとめて報告する場合、 3年間の点検すべてが対象になるので、期間は3年分になる。

不良内容と改修計画。 「要是正」がある場合、 不良の内容と、いつまでにどう直すかを書く欄がある。 空欄で出すと消防署から確認が入る。 直す予定が立っていない場合でも、未定と書くほうが、空欄よりよい。

提出先と期限

提出先は、防火対象物の所在地を管轄する消防長または消防署長である。 特定行政庁(都道府県・市の建築部局)ではない。ここは12条点検の定期報告と混同されやすい。

期限は、特定防火対象物が1年に1回、非特定防火対象物が3年に1回。 「点検してから何日以内」という定めは規則に無いが、 自治体によって運用上の目安を示していることがある。 点検が終わったら速やかに出す、が実務の答えになる。

多くの消防本部が電子申請を受け付けるようになっている。 マイナポータルの「ぴったりサービス」経由で出せる自治体もある。 持参と郵送しか受けていない消防本部もあるので、 初回だけは所轄に確認しておくと二度手間が減る。

出したあとに残るもの

報告書の控えは手元に残す。3年に1回の報告をする建物では、 次の報告のときに前回の控えが必要になることが多い。 理事が交代する管理組合では、この控えの引き継ぎが抜けやすい。

点検票も同様で、前回「要是正」だった箇所が直っているかを次回の点検で見るため、 業者が過去の点検票を求めてくることがある。 業者を変えるときは、過去分の点検票を必ず受け取ってから切り替えたほうがいい。

当サイトでは、各都道府県が公開する建設業許可業者名簿(消防施設工事業)をもとに 点検業者を掲載している。報告書の作成と提出まで含めるかは業者ごとに違うので、 見積もりを取るときに確認してほしい。

消防設備点検業者の一覧

本記事は消防法施行規則および総務省消防庁の様式に基づいて整理した。 様式の最新版と提出方法は、所轄の消防署に確認してほしい。


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